パン

パン作りを始めたきっかけ

今からおおよそ７年ほど前、一人の大切な人のために初めてパンを作りました。

その人は、パンがとてもおいしい国、フランスの人で、文化的にパンが主食。
日本でも毎日パンを食べていました。
ところが、ある日を境に日常生活が送れなくなるほどひどく調子を崩してしまいました。

病気になる原因はひとつではありません。
色々な要素が複雑に絡み合っているのですが、何かひとつでも私にできることがあれば、不調の原因をほんの少しでも軽減することができれば、と考えました。

まずは、食べ物。
食べ物はカラダとココロに直接的に影響します。
腸には脳よりも多くの微生物が存在しており、腸内環境の乱れが身体的だけでなく、その人の気分や振る舞い、精神的な不調も引き起こすことがわかっています。
体内の有害な物質を排出することも大切で、その人の場合は、デトックス効果の高い山芋や里芋を食べることを推奨されていました。
ところが、大の苦手な食べ物で、どうしても食べられない。

そこで・・・毎日食べるものといえば、パン。

毎日パン屋さんや市販のパンを買って食べていたけれど、添加物や白砂糖、植物油など腸内環境を乱してしまうものが含まれています。それなら、毎朝食べるパンを私が作り、パン生地に山芋を混ぜこんでみたらどうだろう、食べられるかな・・・と考えました。

結果は大成功。山芋たっぷりの無添加パンをおいしそうに食べてくれました。
そして、私は毎朝欠かさず作るようになりました。

毎日食べるものだからこそ、少しでも安全で健康に近づけるものを。

カラダにもココロにも、おいしく幸せなエネルギーを。

これが私のパン作りのスタートです。

国産小麦から古代小麦へ

１年くらいでしょうか、しばらくそのように国産小麦で無添加のパンを作っていましたが、輸入ではなく国産の小麦でさえも不調を引き起こすような状況になっている、ということを教えてもらいました。

小麦の質の問題です。

今日私たちが食べている一般的な小麦は、今まで人類が食べてきた小麦とは全く別物になっていることを知りました。1900年代半ばに急速に進んだ遺伝子組み換えやポストハーベスト農薬により、腸内環境が乱れ、様々な不調を引き起こす人が増えているのです。

そこで、国産小麦も使わないよう米粉パンにしてみたのですが、どうしても小麦のパンとは違います。
小麦のパンのように美味しく、かつ安心して食べられるように作れる方法はないか・・・と考えていたところ、小麦の品種改良が行われる前の小麦、かつて人類が食べていた小麦が今でもどこかに存在しているかもしれない…とふと思いつき、まずは探してみることにしました。

そして、「古代小麦」というものを見つけました。

「古代小麦」は品種改良されておらず、9000年以上前から栽培されていた古代穀物であること、アレルギーの人でも古代小麦ではアレルギーを発症しづらいこと、品種改良された今日の小麦には含まれないビタミンやミネラルなど栄養が豊富なこと、消化しやすい、低GIなど… 安心して食べられる健康的な食べ物だということでした。

これが、国産小麦をやめて国産古代小麦へと移行した経由です。

Café de Fleur の古代小麦100%パン

古代小麦の品種の中でも広く普及しているスペルト小麦（北海道産）のパンをメインに作っています。日常生活への取り入れやすさ、続けやすさも大切にしているからです。

ナッツのような香ばしい香りが味わえます。小ぶりに見えますが、食べ応えがあり、少量で満腹感のある滋味深いパンです。

カラダにもココロにもおいしく幸せなエネルギーを届けられるよう、
すべてへの感謝を込めて、
ひとつひとつ丁寧に焼いています。

最後まで読んでいただき、どうもありがとうございます。

はた みちこ